●日本海軍の護衛駆逐艦
日本海軍の護衛艦艇としては海防艦、水雷艇、掃海艇、駆潜艇などが存在しますが、護衛駆逐艦に相当する艦となると艦隊型駆逐艦である丁型(松、橘型)となるでしょう。
丁型はソロモン諸島を巡る戦闘で多数失われた駆逐艦群を補うべく計画された戦時量産駆逐艦で、船体形状はそれまでの甲型や乙型駆逐艦とは異なり、当時建造中であった丙型海防艦に近いものです。
武装は甲型駆逐艦の約半分となり、速力も28ノット程度と低速でしたが建造期間は7~8ヶ月程度と短期間でした。
ただし、前期建造型となった松型はブロック工法を取り入れていない為に効率が悪く、後期型の橘型では船体設計の改善(トランサム・スターン採用、ナックル廃止など)とともにブロック工法採用を実施しています。
松型でブロック工法が採用されなかった理由としては船体への溶接箇所を厳しく制限されていたためですが、この規則制定は1939年であり、最上型軽巡をはじめとする溶接採用艦に不具合が多かった事が原因となっています。
なお、ブロック工法を大々的に採用した米海軍においては先述のように急速建造に絶大な効果があり、最短建造期間は僅か2~3ヶ月となっています。
また、米英駆逐艦と比べると武装はともかくとして電波、水測兵器の能力差は覆いがたいものがあったことは。
丁型は昭和19年度と20年度予算で計74隻の建造が計画され、最終的に32隻が就役するにとどまっています。
米英の護衛駆逐艦建造数からすればかなりの差がありますが、これが彼我の国力の差であるといえるでしょう。